2023年も残り少しだし、Ricoh GR IVの発売を妄想してみる

2023年も残り少しだし、Ricoh GR IVの発売を妄想してみる

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個人的に今一番気に行っているコンデジはRicoh GR IIIxなのですが、このカメラの兄弟分GR IIIは2019年の3月に発売されました。発売からもう4年も経っているわけです。そろそろ製品サイクル的に新型が出てくれたらなぁということで、2023年最後にGR IVの発売を妄想してみます。

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GRシリーズとは

GRシリーズとは、Ricohより1996年10月に発売されたGR1から現在まで続く、高級コンパクトデジタルカメラに属するカメラブランドです。

そんなGRの開発コンセプトは5つ。

  1. カタログスペックだけの数字競争はしない
  2. 流行りの機能というだけでは搭載しない
  3. 目立たせるだけのデザインはしない
  4. 安易なモデルチェンジはしない
  5. いつも挑戦し提案する姿勢を失わない

これら5つの開発コンセプトを軸に、GRは「最強のSnap Shooter (高画質、携帯性、速写性、深化)」というシリーズを通して変わらないブランドコンセプトを守り続けています。

過去機の発売時期

開発コンセプトに「安易なモデルチェンジをしない」とあれども、人気製品というものは過去機の発売時期からおおよその製品サイクルを予想することが可能です。そこで過去機の発売時期を振り返ります。

世代名称発売時期
1GR11996.10
2GR101998.4
3GR1s1998.4
4GR212001.4
5GR1v2001.9
6GR DIGITAL2005.10
7GR DIGITAL II2007.11
8GR DIGITAL III2009.8
9GR DIGITAL IV2011.10
10GR2013.5
11GR II2015.7
12GR III2019.3
13GR IIIx2021.10

GR1vからGR DIGITALが製品サイクルとしては過去最長のようです。とはいえGR1vはフィルム機、GR DIGITALは文字通りデジタル機なので、この間のサイクルが長くなるのは必然でしょう。と考えると、GR IVが仮にあるならば2024年、遅くとも25年に、製品サイクル的には発売される可能性があるように思えます。

GR IVを妄想

さて本題ですが、GR IVが仮に発売されたらどうなるのか。現在ある噂や過去の開発陣へのインタビュー記事、それとコミュニティの意見などに、個人的な希望を含めて妄想します。

可動式液晶の搭載

カメラ製品というものは発売前に様々な噂が飛び交いますが、現状GR IV関係ですぐに出てくる噂は、Pentax & Ricoh Rumorsに2023年1月25日掲載されたフリップスクリーンの噂ではないでしょうか。記事には出所不明の画像が掲載されています。

確かにモニター周りが進化する可能性はあります。ただ、光軸から視線がズレるバリアングル式をGRで採用するというのはどうもイメージと合いません。あるとしたらチルト式ではないでしょうか。フレキシブルチルト式という可能性もあるかも。

GRは写真機としての機能を重視していますが動画機能が付いていないわけではありません。GR IIIからは手ぶれ補正も付いています。「流行りの機能というだけでは搭載しない」という開発コンセプトがありますが、現状ほぼ使い物にならない動画機能を改良する一環として稼働式モニターを採用する可能性はあります。

それにチルトモニターになればローアングルでのスナップ力も上がりますしね。

フルサイズセンサーの搭載

次にある噂としては、センサーがAPS-Cからフルサイズに変わるという噂でしょうか。

GRシリーズは、GR1vまでがフィルム機、GR DIGITAL IVが1/1.7型CCDのデジタル機、GRから現行機のGR IIIxまでがAPS-Cデジタル機となっています。つまり歴史を振り返るとフィルム機5台、DIGITALシリーズ4台、APS-C機4台となるわけです。こう見るとフルサイズ機が登場する可能性があるように思えます。

しかし、フルサイズセンサーの搭載に関しては、過去Mobile01に掲載されたリコーの野口智宏氏へのインタビュー記事にて、次のように書かれています。

GRはスナップカメラですので、高品質で持ち運びやすい製品を作ることが重要です。よって、APS-Cが最適な選択だと考えています。

将来的に新たな製品を追加する場合には、フルサイズセンサーの採用も検討するかもしれないが、現時点での目標は「正統派GR」を作ることなので、現在はフルサイズの計画はありません。

しかし、次世代には、フルサイズができることを心から望んでいる多くの GR ファンがいることは理解しています。

https://www.mobile01.com/topicdetail.php?f=252&t=5665827

現在、野口氏は独立されていますが、元はGRシリーズの開発者であり“ミスターGR”の愛称でも親しまれる人物です。この発言は2018年のものですが、これだけの大物が明言されているのですから、GR IVがフルサイズになることはないでしょう。あるとすればGR IVの次に、フルサイズを搭載した次世代コンパクトデジタルカメラが登場するなどでしょうか。

防塵防滴

GR、GR IIはセンサーが固定式であったため、センサーの前にパッキンを入れてセンサーを保護する構成となっていましたが、GR IIIは、センサーシフト式の手ブレ補正機構が入っているために同様の構成が取れていません。代わりとしてダストリムーバル機能が採用されているわけですが、やはり防塵防滴は欲しい。

そんな防塵防滴に関して、デジカメ Watchの記事「RICOH GR III(前編)」で、開発陣の稲葉氏は、防塵防滴を実現するとなるとボディが大きくなるため、検討はしたものの携帯性の面での影響を考慮して不採用としたと述べています。

この発言は重要なキーワードだと個人的に思っています。というのもGR IIIは、携帯性の面においてGR DIGITAL時代に戻すことをかなり重要視していたためです。これについてはRentioの「リコーGRシリーズ開発者が語る特別インタビュー」にて語られています。以下引用。

ボディサイズをGR DIGITALシリーズ時代の大きさに戻したいというのは、どちらかというと私たち側の強い想いでした。

GR DIGITALからGRに遷移した際には、APS-Cセンサーを搭載してこのサイズであれば十分という声も大きかったように感じています。

しかし、我々としては携帯性は妥協したくなかった。小型化は、今回のGR IIIにおける一つの注力ポイントとして開発に取り組みました。

最新モデル「GR III」について – ボディの小型化はユーザー側からの要望も多かったのですか?

つまりGR IIIでは、携帯性を重視したため、ボディを大きくする要因となる防塵防滴は諦めたというわけです。しかし、そのお陰もありGR IIIは小型化に成功したわけですから、新たなチャレンジとしてGR IVで防塵防滴を再度検討する可能性はあると思います。

バッテリー持ちの改善

GR IIからGR IIIになるにあたり高性能なプロセッサーが搭載されたことでバッテリー消費量が上がりました。そのためGR IIIのレビューを見ると、バッテリー持ちが悪いという意見が目立ちます。

しかし、過去のインタビュー記事などから開発陣もこのことは理解しているようなので、GR IVでは改善が図られるのではないかと思います。

光学ファインダーと内臓フラッシュ

YouTubeを見ていたらおすすめに表示されたLuis Chavez氏の動画「Getting Ready for the Ricoh GR IV: My Wishlist and Dream Features」を見ると、GR IVに光学ファインダーや内臓フラッシュを望む人々が多いように思いました。

しかし、光学ファインダーがGR IVに搭載されることはない気がします。

先ほども紹介したRentioの「リコーGRシリーズ開発者が語る特別インタビュー」で語られていますが、Ricohでは、光学ファインダーを通した写真体験はPENTAXに、制限された中で感じる写真の奥深さはGRで、と棲み分けしているようですから、スペースが限られるGRにわざわざファインダーを付けることはないのではないでしょうか。

内臓フラッシュに関しては、まだ希望があるように思えます。これに関しては、先ほど紹介したデジカメ Watchの記事「RICOH GR III(前編)」で次のように語られています。以下引用。

小型化を実現するためにフラッシュを非搭載にしたということではありません。どの機能を入れて、どの機能を削るかといった検討の中で、今回はフラッシュは非搭載という判断になりました。結果的にそれが小型化に貢献したところはありますが。

デジカメ Watch – RICOH GR III(前編)

この中の「今回はフラッシュは非搭載という判断になりました」から、以降フラッシュは完全に外部モジュール化する、というわけではないように思えます。

また内臓フラッシュは暗所での高画質・速写性に影響しますので、GR IVで復活する可能性はあると思います。

まとめ

現在ある噂や過去の開発陣へのインタビュー記事、それとコミュニティの意見などを元に、筆者の妄想を書いてきました。

製品サイクル的には、2024、25年あたりに登場しそうですが、やはりGR IIIの完成度が高すぎることからマイナーチェンジを避けるために先に延びる可能性もありそうです。GR IIIで見送ったものをGR IVで搭載するのか、はたまたフルサイズという領域に踏み出すのかでも登場時期は大きく変わりそうです。

そんなわけで、GR IVが出るかもしれないからGR IIIやGR IIIxを購入しようか迷っているという方は、とりあえず購入して使いながら待ちましょう。ちなみにどこも在庫切れであるため、欲しい場合は予約して待つか、探し回る必要があります。

おまけ

K-3 Mark III モノクロームがヒットしたことで、GR IIIのモノクロームモデルが登場するのではと一時話題になりましたが、これに関しては、田中希美男氏がTwitter上で「ある理由でやりたくてもできない、98%否」と強く否定しています。以下引用。

PENTAXのK-3 III MONOCHROMEが発売されると、すぐに「RICOH GRシリーズにもMONOCHROMEモデルを」との強い要望が寄せられたそうだ。 でもRICOHはGRのMONOCHROME化はやらないです。企画さえもしてない。ある理由でやりたくてもできない、98%否。期待しても待っても要望しても、ほぼ無駄でしょう。

https://twitter.com/thisistanaka/status/1679030684084764672

田中氏は、過去にGRシリーズのインプレッションなどに登場している方です。(Ricohと繋がりがあり、過去にも暴露発言などがあったりします)

よって、こちらも待っていてもいつ出るかわからない代物と言えます。GR IIIかGR IIIxを買いましょう。

2023/12/30 追記

YouTubeのRICOH GR Photographyチャンネルに、リコーGRのデザイナー稲葉氏へのインタビュー動画が投稿されています。動画の最後では、Ricoh GRシリーズの新製品に関する話題が振られる場面も。

こちらの記事で軽くまとめています。

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