instax mini Evoレビュー。日常的に持ち歩きたいスタイリッシュなチェキ

instax mini Evoレビュー。日常的に持ち歩きたいスタイリッシュなチェキ

Twitterのタイムラインで存在を知り、プロモーションビデオを視聴した瞬間「あ、コレ欲しい」と思ったinstax mini Evo(FUJIFILMのinstaxシリーズ最上位モデル)。11月19日の予約開始日に迷わず購入を決意して、手元に届いた本機をレビューしていきます。

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Contents

instax mini Evo のスペックシート

発売日2021/12/3
公式サイト”チェキ”instax mini Evo | FUJIFILM
サイズ縦122.9mm x 横87mm x 厚さ36mm
重さ約285g
撮像素子1/5型CMOS原色フィルター
記録画素数2560 x 1920 ピクセル
記録メディア内蔵メモリー、microSD/microSDHCメモリーカード
焦点距離f= 28 mm(35 mmフィルム換算)
絞りF2.0
撮影可能距離10 cm ~ ∞
シャッタースピード1/4秒 ~ 1/8000秒(自動切替)
撮影感度ISO100~1600(自動切替)
露出補正−2.0 EV ~ +2.0 EV(1/3 EVステップ)
画像エフェクトレンズエフェクト10種、フイルムエフェクト10種
露光画素数1600×600ドット(スマホアプリからの印刷時は、800×600ドット)
露光解像度25 ドット / mm × 12.5 ドット / mm(636×318 dpi、40×80 μmドットピッチ)
スマホアプリからの印刷時は、12.5 ドット / mm(318 dpi、80 μmドットピッチ)
プリント出力時間約16秒(起動直後にinstax-Richモードを使用して印刷する場合は+7秒)
スマートフォンアプリ連携機能スマートフォン画像プリント機能、リモート撮影機能、プリント画像転送機能、バージョンアップ機能
液晶モニター3.0型TFTカラー液晶モニター 画素数: 約46万ドット
外部インターフェースマイクロUSB Micro-B(充電専用)
プリント可能枚数約100枚(フル充電から)
充電時間約2~3時間
使用フィルム富士フイルム インスタントフィルム instax mini

使用した上で感じた良い点

一見大きく感じるが、縦持ちと考えると理想的なサイズ感

instax mini Evoを初めて手にした際は、その大きさに驚きました。横幅はX100Vのようなコンパクトカメラと同じくらいですが、縦幅があるため全体的に見ると大きいなと感じます。

しかし、instax mini Evoは中にプリンターとしての機能を内蔵しているので、ある程度サイズが大きくなってしまうのは仕方がありません。どうしてもチェキ用紙のサイズが影響しますので。

また、多くのカメラは縦持ちをデフォルトとしていませんが、このカメラは縦持ち撮影がデフォルトです。そのため、シャッターを切る側の手だけでもカメラをホールドできるよう、特殊な構造が必要です。

特に親指を置く位置は重要です。背面液晶に親指が被るようでは困ります。instax mini Evoは背面に親指を固定するためのスペースが用意されているため、必然的にサイズが大きくなります。

以上を踏まえると、必要な機能を備えつつも可能な限り筐体はコンパクトに抑えられていると思います。

サブ機として鞄に入れても気にならない軽量さ

サブ機兼モバイルプリンターとして、鞄に常に入れておく場合に約300gという軽量さはプラスに働きます。

FUJIFILMからはチェキプリンターとしてスマートフォン用プリンター “チェキ” instax Link WIDEスマートフォン用プリンター “チェキ” instax mini Link“スマホ de チェキ” instax SHARE SP-3の3機種が発売されています。このうちinstax mini Evoよりも軽いプリンターはinstax mini Linkのみです。つまり、チェキカメラとプリンター機能を併せ持ちながら、プリンター機能のみの2機種より軽いということです。

もちろんプリント画面サイズなどの違いが重さに影響を与えているとは思いますが、単純な数値のみで考えると持ち出すことが億劫になりにくい本機は鞄に忍ばせておくにはもってこいといえます。

ただ外寸が大きいため、ショルダーバッグやハンドバッグなどの小さな鞄に入れておくには工夫が必要かもしれません。

高級感あるクラシックデザイン

instax mini Evoのデザインには、Xシリーズを想起させるものがあります。アナログダイヤル操作がメインでありながらシンプルでフラットな形状は、X100VやX-E4といった最近のXシリーズと類似していると感じます。

実際、X100Vと同じくinstax mini Evoも手に馴染むカメラです。写真を撮るためにカメラを構えている時以外でもカメラを撫でてしまう、ふとした時に手に取って指を這わせてしまう、そんなカメラです。

アナログダイヤルの操作音がASMR

クラシックなデザインらしく、instax mini Evoは物理ダイヤルでの操作が基本です。

Fujifilmは、カメラの物理ダイヤル操作にかなりのこだわりを持っているメーカーですが、instax mini Evoのフィルムダイヤルとレンズダイヤルも、操作感・操作音ともに素晴らしい出来となっています。

とくにプリントレバーの音が最高に心地いいです。

2種類のプリント方法が味わい深い

「High Quality Print」というだけあり、本機が搭載する2種類のプリントモードはとても味わい深い仕上がりとなっています。露光密度を変えることで実現した高画質チェキプリント「instax-Natural Mode」と「instax-Rich Mode」は、フィルムエフェクト10種×レンズエフェクト10種にさらなる変化を与えます。

個人的にはチェキならではの柔らかい風合いが楽しめる「instax-Natural Mode」を推しますが、色彩を豊かに表現する「instax-Rich Mode」の色鮮やかさ故の高画質感も捨てがたいと感じます。

思い出をその場で物として共有できる体験が新鮮

写真を撮ってからプリントするまではおおよそ15秒。時間的なストレスはほぼ感じないのではないでしょうか。これだけの速さで思い出を質量ある物として他人と共有できる体験は、デジタルデータのやり取りが大半を占める現代においてはとても新鮮に感じました。

使用した上で感じた微妙な点

USB Micro-BやmicroSD/microSDHCカードの抜き差しがやりにくい

本機底面にUSB Micro-BやmicroSD/microSDHCカードの差し込み口と本体のリセットボタンがありますが、それらを覆うカバーが扱いにくい仕様となっています。カバーの止め外しをスムーズに行えないうえに、USB Micro-Bを差し込む際には片手でカバーをしっかりと抑える必要があります。

プリント機構を持つ本機は内部に余裕が少ないのかもしれませんが、もう少し何とかならなかったのかと思ってしまいます。

一度プリントしたデータ以外はスマホに送信できない

一度プリントしたデータ以外はスマホに送信できないという仕組みには、FUJIFILMさん商売上手だなぁと思いました。一応microSD/microSDHCカード経由でデータ移行は行えますが、カメラからmini Evoアプリにすべての撮影データを気軽に取り込むことはできません。

チェキ用フィルムをしっかりと消費するよう上手く考えられてます。

やっぱりUSB – Cが良い

2024年8月19日追記

現在は、新型としてType-Cモデルが流通しています。よって新品であればこの問題は解決されています。中古を購入される場合は注意してください。

これは本機に限った話ではありませんがUSBはBよりCが良い。種類の異なるケーブルを持ち歩くのは面倒ですし、端子の向きを考えるのも面倒です。

一応製品仕様にはプリント可能枚数がフル充電から約100枚とあり、一日でこれだけプリントすることはなかなかないと思いますが、本機で撮影して「この写真は微妙だな」「この写真は良いな」とかプレビューでの確認をしているとバッテリー残量が心許なく感じる時があります。

給電型の本機は当然充電用ケーブルが必要となるわけで……。やっぱりUSB – Cが良い。

instax mini Evoを使用する上での工夫と注意点

露出は若干下げ気味をデフォルトに

instax mini Evoは絞りがF2.0固定、SSとISOがオートであるためか、若干明るい写真になりがちです。写真の明るさは好みの問題があるとは思いますが、他のカメラで撮影する時のような明るさを求めるならば、露出は下げ気味をデフォルトにした方が良いかと思います。

私は-1/3をデフォルトにして、明るすぎる場所ではさらに下げるという風にしています。

お気に入り登録を積極的に活用して時短&節電

アナログダイヤル搭載機種ではあるものの、電源がオフの状態では、フィルムエフェクトとレンズエフェクトを操作することはできません。

富士のカメラは手元を見ずともダイヤルを回して予め設定を済ませ、起動すれば後はシャッターを切るだけというスナップが容易な機種が多いですが、instax mini Evoは起動後に撮影設定を行う必要があります。起動時間も約2秒程掛かるので撮影までに時間を要します。

また、私の体感ですが約100枚撮って約10枚プリントすると、バッテリーはギリギリというケースが多いように感じます。公式では最大プリント枚数は(フル充電から)約100枚とありますが、撮影も含めるとバッテリーの消費はかなり早いように感じました。

instax mini Evoはバッテリー交換式ではなくUSB – Micro Bによる給電方式を採用しているため、仮にこのカメラをメイン機と据えて一日使用する場合はバッテリーが若干心許ないかもしれません。

こういった問題を解決するためには、お気に入りの設定が見つかっていれば積極的にお気に入り登録を活用することだと思います。起動後のアクションを減らすことで撮影に要する時間を短くしてバッテリーの消費を抑える。本機をメインで使う場合はこの点を頭の片隅にでも置いておくと良いかもしれません。

フラッシュ禁止エリアではフラッシュの他にAF補助光に注意

本機はフラッシュ、AF補助光ともにデフォルトで点灯する仕様となっています。

設定でフラッシュを発光禁止にしたのにも関わらず、撮影時に点灯が生じるという場合にはAF補助光が点灯していないか注意すると良いかと思います。

スマホからのプリントは800×600ドット

本機とinstax mini Evoアプリを連動することで、スマホ・タブレット内の画像を指定してプリントすることが可能です。しかし、この際の注意点として公式の製品仕様にも書かれていますが、本機からの直接プリントは1600×600ドットに対してスマホからのプリントは800×600ドットという点です。

長辺が約1/2倍になっているのでプリント後の写真を見ると解像度の違いがはっきりと分かると思います。

ただ、800×600ドットというのは、スマートフォン用プリンター “チェキ” instax mini Link“スマホ de チェキ” instax SHARE SP-3のプリント解像度とほぼ同じです。つまりスマホからプリントする場合、従来機種よりもプリント解像度が劣るわけではありません。

スマートフォン用プリンター “チェキ” instax Link WIDEの解像度には劣りますが、Link WiDEはワイドプリント専用機ということを考えると当然と言えます。

よって、instax mini Evoは、カメラ機能を有していながらスマホからのプリント時は従来と同じ解像度を保ち、本機からの直接プリント時の解像度は異常に高いハイスペック機種といえます。

合わせて購入した物、購入検討中の物

チェキ用フィルム

まずはチェキ用フィルムです。私は様子見ということでノーマルな白地フィルム20枚入りを2セット購入しました。

instax mini Evoの発売と合わせてチェキ用フィルム STONE GRAYが発売されましたが、初めてのチェキ購入ということで無難なものを選びました。購入したフィルムが無くなりそうになった際にはCONTACT SHEET含め、購入を検討してみたいと考えています。

アクリルフォトフレーム

撮影したフィルムを飾る用として試しにフォトフレームを購入してみました。

ただこのフォトフレーム、純正品のわりには作りが残念でして、マグネット部分がフィルムの写真部分に被ってしまう欠点があります。僅かな重なりなので気にならない人はそれでも良いのかもしれません。私は気になる派でした……。

ちなみにプリント後のチェキフィルムを持ち運ぶ際などは、皆さんカードケースなどを利用されるんですかね?擦れたり光に当てすぎると劣化が早まるので、何か良い感じのケースが欲しいなといったところ。

純正カメラケース

instax mini EvoはX100Vのサブ機&ポータブルプリント機として持ち歩こうと考えているためカメラケースも購入しました。

しかし、このカメラケース縫い目が粗雑だったり、裁断が荒いのか出っ張りがあったりと純正品にしては残念な点がチラホラと見受けられます。

また、カメラに対してフィットし過ぎるあまりカメラケースから本体を抜き出す際に、カメラ正面にある電源スイッチが引っかかる形となり、勝手に電源が入ってしまうということもあります(というかほぼ間違いなく電源が入る)。

純正品とは言え値段が安めですから求めすぎるのはおかしいのかもしれませんが、なんだかなぁといった感じのケースです。見た目に高級感もありません。気になる人はサードパーティー物を探された方が良いと思います。

その他、購入した方が良いもの

長く使うのであれば液晶フィルムは購入しておいた方が良いです。KenkoTokinaから発売されているinstax mini Evo用保護フィルムなどが良いかと思います。

あとはストラップですね。常に鞄で持ち運ぶのであれば不要ですが、首掛けをしたり、落下防止を考えるのであればストラップはあった方が良いです。純正ストラップが付属していますが、安っぽいものなのであまり期待しない方が良いです。

ストラップ購入時の注意点として、mini Evoのストラップ穴は小さめに作られているため、Peak Designのハンドストラップなどは入らないと思います。挿入部が細身のストラップを探されると良いかと思います。

instax mini Evo 作例

軽く作例を載せておきます。参考程度にご覧ください。

  • instax mini Evoで撮影した写真、または一度Evoに外部から取り込んだ写真の内、既にプリント済みの物に関してはinstax mini Evoアプリがインストールされているスマホ・タブレット経由でデジタル化することが可能です。解像度は800×800固定のようです。
  • instax mini Evoアプリに取り込んだ写真には背景画像を設定することが可能です。背景に透過や他の画像も選べます。

instax mini Evo の総評

X100Vを持っている私にとってinstax mini Evoはメイン機にはなりませんが、サブ機兼モバイルプリンターとして使いたくなるカメラでした。

デジタルな時代だからこそ、思い出を物として残して大切な人と共有する。「見せてよ、きみが見てる世界」まさにこのキャッチコピーを体現したカメラであると思いました。

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