富士フイルムXシリーズの最軽量カメラ「X-E5」の発売を妄想してみる

富士フイルムXシリーズの最軽量カメラ「X-E5」の発売を妄想してみる

画像はX-E4

個人的に次に購入したいと思っているカメラは、リコーの「GR VI」か富士フイルムの「X-E5」なのですが、GRについては、2023年12月に「2023年も残り少しだし、Ricoh GR IVの発売を妄想してみる」というタイトルで記事を出したので、今回はX-E5についての妄想を書いていこうと思います。

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X-Eシリーズとは

FujifilmのX-Eシリーズの初代X-E1は、ミラーレス一眼の概念を変えた同社のX-Pro1の最高峰の画質を受け継ぐカメラとして2012年に誕生。以降、撮影に役立つ多彩な機能を搭載しながらも、小型で軽量なミラーレスデジタルカメラとして開発が継続されてきました。また、第3世代として登場したX-E3ではコンセプトに「MINIMALISM」が新たに採用され、現行最新機種であるX-E4に引き継がれています。

初代からXシリーズにおける小型軽量機として開発されてきたX-Eシリーズが大きく変わったのは、やはりX-E3からではないでしょうか。X-E3では、新たなコンセプトを重視して開発が行われたことで、当時主流となりつつあったチルトモニターは不採用となり、代わりに当時のXシリーズにおける最小最軽量のXシリーズ機として開発されました。

続くX-E4では、ほぼ同時期に後のFujifilmにとってエントリーモデルとなるX-S10の開発が並行して走っていたため、「MINIMALISM」というコンセプトをより重視した開発が行われます。結果、前面のグリップや一部の物理ダイヤルが不採用となり、前面背面ともにフルフラットなカメラが誕生しました。

最新モデルX-E4 Promotional Video

Fujifilmは、X-S10をエントリーモデル、X-E4をXシリーズをこれまで使われてきた方へ向けたサブ機として開発したようです。一方で市場では、X-E4はエントリーモデルと認識されていたりします。

過去機の発売時期

人気製品というものは、過去機の発売時期からおおよその製品サイクルを予想することが可能です。そこでX-Eシリーズの発売時期を振り返ります。

世代名称発売時期
1X-E12012.11.17
2X-E22013.11.09
3X-E32017.09.28
4X-E42021.02.25

発売時期を振り返るとX-E1からX-E2にかけては驚くほど短い期間となっていますが、それ以降はおよそ3年半間隔であるため、一般的なデジタルカメラの製品サイクルに近いように思えます。よって、製品サイクル的には2024年、遅くとも25年には発売される可能性があるように思えます。

ちなみにFujifilmは2024年中に3つのカメラを発表すると言われており、その内の1機であるX100VIは、2024年2月20日(火)に開催したX Summit TOKYO 2024にて既に発表されました。

そして残り2機の内、1機はGFX100SIIである可能性が極めて高く、2024年内にX-E5が発表される場合は残り1枠に入る必要があります。なお、現時点で残り1枠の候補に上がっている機種は、X-Pro4、X-E5、X-T40、X-T300、GFX100Rとなっています。

【追記2024/09/08】実際はX100VI、GFX100SII、X-T50が今年に発売されています。X-E5はまだ年内発売の可能性はあるものの、現時点ではX-M5の方が発売の可能性が高いようです。以下の記事で紹介しています。

X-E5を妄想

さて本題ですが、X-E5が仮に発売されたらどうなるのか。現在ある噂や過去の開発陣へのインタビュー記事などに、個人的な希望を含めて妄想します。

第5世代センサー・プロセッサーの搭載と、フィルムシミュレーションの追加

まず、間違いなく第5世代のセンサー「X-Trans CMOS 5 HR」とプロセッサー「X-Processor 5」は搭載されるのではないかと思います。X-Eシリーズは、初代から世代が変わるにつれてセンサーとプロセッサーがアップデートされて来ていますので、現行の最新となる第5世代センサーとプロセッサーは間違いなく採用されるでしょう。

また、センサーとプロセッサーが変わることで、先日発表されたX100VI同様にフィルムシミュレーション「REALA ACE」が追加されるはずです。

背面液晶はチルトを継続

背面液晶についてはX-E4で採用された180°チルト式が継続されるのではないかと思います。小型軽量かつフルフラットのカメラを作る場合、やはり可動式液晶をどうするかという問題は付き物で、これについてはFUJIFILMjapanの「【X lab #12】X-E4 開発秘話 ~後編~/富士フイルム (3:52)」の中で、かなり苦労して作られたというストーリーを話されています。

また、X-E4はX-S10とコンセプト的にも真逆のカメラであるため、X-S10で採用されているバリアングル式が、後継機となるX-E5で搭載される可能性も低いと思います。それにX-E4はどちらかというとスチル機だと思うので、光軸から視線がズレるバリアングル式を採用することはない気がします。

縦構図の撮影幅が広がる3軸チルトを搭載する可能性はあるかもしれませんが、その場合また開発に苦労されそうですね。

手振れ補正の搭載はあるか

X100VIでは、X100シリーズ初となるIBIS(ボディ内手ブレ補正 6.0段)が搭載されました。搭載されたIBISは厚み2mm、質量43gとなっており、これが影響してかX100Vの質量は約478gでしたが、X100VIの質量は521gとなりました。X-Eシリーズは小型軽量をコンセプトとしているわけですから、IBIS搭載で結果的に質量が増えるというのはコンセプトと合わないように思えます。

また、カメラのキタムラの「フジフイルム X-E4 開発担当インタビュー【前編】(9:02)」でFujifilmの上野氏がさらっと気になることを述べています。

こういうシンプルな操作性とか手ブレ補正がないこともそうですけど、

余計な誤作動の原因となるようなボタンやダイヤルは極力排してくださいと、

プロからはずっとそういう意見の方が多い

フジフイルム X-E4 開発担当インタビュー【前編】(9:02) – YouTube

Fujifilmとしては、X-E4はエントリーモデルとして開発を行ったわけではないため、こういった意見を取り入れたのだと思います。おそらくX-E5でもXシリーズでの立ち位置が変わることはないでしょうから、IBISが搭載される可能性は極めて低いと思われます。

ちなみにX-Eシリーズ歴代機の質量(バッテリー、メモリーカード含む)は、X-E1約350g、X-E2約350g、X-E3約337g、X-E4約364gとなっています。X-E4にIBISの43gを単純に足すと400gを超えるので、まぁ搭載はなさそうですね。

バッテリー持ちはそれなりに改善しそう

X-E4は、バッテリーに従来のNP-W126Sを採用しているためか、IBIS非搭載であるにも関わらずあまりバッテリー持ちが良くないという面があります。

X100VIは、IBISを搭載したものの、バッテリーはNP-W126Sを続投する形となりました。しかし、第5世代のプロセッサー「X-Processor 5」の省電力性能により、バッテリー持ちが僅かに改善しています(X100V Normal mode + OVF 430枚 → X100VI 450枚撮影)。

よって、仮にX-E5もX100VIと同じくNP-W126Sを続投することになっても、第5世代プロセッサーによりバッテリー持ちは改善しそうな気がします。

お値段は攻めてきそう

Fujifilmのカメラは最近何かと値上がり気味です。先日のX100VIもかなり思い切った価格設定となっていました。

X-E4は発売時の店頭予想価格が99,000円前後、X-E3は115,000円前後でしたが、この辺は余裕で超えてくると思われます。場合によっては、X-E5は150,000円に届くぐらいの価格にはなるかもしれませんね(流石に超えることはないと思いたい)。

そもそもX-Eシリーズは続くのか

いろいろ書いてきましたが結局ここ。そもそもX-Eシリーズは続くのかという問題があるので、この辺について掘り下げます。

まず2022年の時点でFujifilmはX-Eシリーズの開発を継続すると発表していますが、最新機種であるX-E4は2022年9月に生産終了となっています。明確な理由はわかりませんが、コロナによる半導体不足に対して需要はあり、生産が追い付かずという感じかもしれません(ずっと品薄状態でしたので)。あとはX-E4の前にX-T4もディスコンとなっていることから、第5世代搭載のX-T5やX-Hシリーズを始めとする高収益を出せる機種にリソースを回すためかもしれません。

こういった背景もあってか、2023年10月、GFX100 IIの発売にあたりDPReviewが富士フイルムの五十嵐氏へインタビューを行った中で、X-Eシリーズの将来についての質問があり、五十嵐氏が回答されています。

Specifically, I questioned the future of the X-E series, to which Igarashi responded: ‘We haven’t lost focus on any of our existing range, so we’re always thinking about what will be next for us.’ Which, in a somewhat oblique way, came across as a much stronger statement about the X-E range having a future than I was expecting.

X-Eシリーズの将来について質問したのだが、それに対して五十嵐は、既存のどのシリーズにも集中力を失ってはいませんと答えた。これはやや斜に構えた言い方ではあったが、X-Eシリーズに未来があるということを、私が予想していたよりもずっと強く語っているように感じられた。

Interview: Fujifilm talks GFX, kaizen and the future of the X-E series | DPREVIEW

これを見る限りではX-E5の開発が行われる可能性はあるように思えます。

しかし、このインタビューの後に、Phototrendが富士フイルムフランスのBernard氏にインタビューを行い、その中で気になる発言を書いています。

On constate que Fujifilm ne propose plus de boîtiers d’entrée de gamme, comment l’expliquer ?

Si nous avons décidé d’arrêter les produits d’entrée de gamme type X-T200 ou X-E4, c’est parce que ce n’est pas porteur comme marché. Aujourd’hui, des concurrents décident aussi d’abandonner certaines lignes de produits plus accessibles.

Je crois que Fujifilm a fait le choix industriel depuis déjà plus de 5 ans de se tourner vers des produits haut de gamme et on ne reviendra pas sur des produits d’entrée de gamme.

富士フイルムはエントリーレベルのカメラをもう提供していない。 それはなぜか?

X-T200やX-E4のようなエントリーレベルの製品は、市場が伸びていないため、生産中止を決めた。今日、競合他社もより入手しやすい特定の製品ラインを放棄することを決定している。

富士フイルムは5年以上前にトップレンジの製品に集中するという産業的な選択をしたと信じており、エントリーレベルの製品に戻ることはないだろう。

Interview Fujifilm au Salon de la Photo 2023 : « Le plein format est largement surcoté » Phototrend

市場におけるエントリーレベルの製品の需要がどうなのかは知りませんが、似た話として、海外市場では小型機の需要が低いということはよく言われています。なのでX-E4が発表された時も、富士フイルム思い切ったなぁという話をよく耳にしたものです。

そんな背景と、Bernard氏へのインタビューが情報としては一番新しいということで、X-Eシリーズ終わるのかぁと思ったりもしますが、この方は富士フイルムフランスの写真部門ディレクターという肩書らしいので、そこまで確かな情報という気がしません。実際、最後に「~だろう」と言っているので(訳が正しければ)。

なので現時点では、X-Eシリーズの開発は継続されるのではないかと個人的に思っています。

ただ、仮にX-E5が発売されるとした場合、アップデートできる要素があまりなくないかとも思います。センサーとプロセッサー、バッテリー持ちは変わり、フィルムシミュレーションは追加されるでしょうが、液晶は変わらない可能性がありますし、IBISは搭載されないだろうし、X-E3で削った内臓フラッシュの復活はなさそうだし。X-E4からの買い替え需要を得られるのだろうか、とは思います。

まとめ

現在ある噂や過去の開発陣へのインタビュー記事などを元に、筆者の妄想を書いてきました。さらっとした記事にするつもりが、気が付いたら6000文字近く書いており頭が痛くなってきたため、GR IVの記事で書いたようなコミュニティの意見を拾い上げるのはやめにしました。

製品サイクル的に2024年または25年に登場しそうですが、市場の状況やどのぐらいのアップデート内容とするのかによって登場時期は変わりそうです。

そんなわけでX-E5が出るかもしれないからX-E4を購入しようか迷っているという方は、とりあえず購入して使いながら待ちましょう。いつ発売されるのかわからない状態で待ち続けるよりも、精神衛生上良いかと思います。とはいえ生産が終了しているので、購入する場合は中古も候補に入れられた方が良いかと思います。以上です。

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