富士フイルム「X100VI」が発表。前機種X100Vとの違いや個人的に思うこと

富士フイルム「X100VI」が発表。前機種X100Vとの違いや個人的に思うこと

Fujifilmは、2024年2月20日(火)に開催したX Summit TOKYO 2024にて、新型の高級コンパクトデジタルカメラX100VIを発表しました。カラーはシルバーとブラックの2色展開。発売時期は2024年3月下旬。価格は通常モデルが$1,599(2024/2/20 7:25 UTC時点で約24万425円)、限定モデルが$1,999(2024/2/20 7:25 UTC時点で約300,569円)となっています。

以下簡単なまとめと、前機種から進化した点に触れつつ、個人的に思ったことをつらつらと書いています。

■ X100VIの特徴

  • 裏面照射型 高解像4020万画素センサー「X-Trans CMOS 5 HR」
  • 従来機比約2倍の高速処理を実現する画像処理エンジン「X-Processor 5」
  • 常用感度のベースはISO 125
  • 1/180,000秒の電子シャッター
  • ディープラーニングを用いた被写体検出AF
  • 6.0段ボディ内手ブレ補正
  • 質量521g(バッテリー、SDメモリーカード含む)
  • FILM SIMULATION 「REALA ACE」
  • ハイアングル時のチルト角度が前機種の30°から45°に
  • 6.2K/30p 4:2:2 10bit内部記録、4K/60p、1080/240P対応の動画撮影機能
  • 動画撮影中のタッチ操作でのトラッキングAF機能
  • クラウドサービス「Frame.io Camera to Cloud」に対応
X100VI シルバー
X100VI ブラック
Contents

やはり目玉は手ブレ補正

X100VIにて、遂にX100シリーズに「IBIS(ボディ内手ブレ補正 6.0段)」搭載機が登場しました。これは待ち望んでいた方が多いのではないでしょうか。手ブレ補正の搭載により、夜間を始めとした暗所条件で、これまでのようにISOを上げずに撮影することが可能に。

また、これにより手持ちでの動画撮影もある程度は行えるようになりました。6.2K/30p 4:2:2 10bit内部記録や4K/60p、1080/240Pでの動画撮影に対応したこと、タッチ操作でのトラッキングAF機能が追加されたことも、X100VIで動画撮影をしてみようかと思う切っ掛けにはなるかと思います。

画素数が約2610万から約4020万画素に

前機種X100Vは「X-Trans CMOS 4」センサー搭載により有効画素数が約2610万画素でしたが、X100VIにて「X-Trans CMOS 5 HR」センサーが搭載されたことで有効画素数は約4020万画素となりました。また、センサーのアップデートに伴いプロセッサーも「X-Processor 5」が搭載され画質が向上しました。前機種からレンズに変更はないようなので、画質に関しては正統進化しているといえます。

さらに、センサーとプロセッサーのアップデートに伴い、常用感度のベースはISO 125、シャッタースピードは電子シャッターで1/180,000秒まで対応しました。

ところで、X100Vの前機種X100Fは有効画素数約2430万なんですよね。レンズもX100Vのカリッとした描写とは異なり、フワッとした描写。X100Fが好きで使い続けている人は、X100VIに乗り換えることなく、今後も使い続けるのかなぁなんて思いました。

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質量が521gに…

バッテリー、SDメモリーカードを含む状態でX100Vは約478gでした。それがX100VIでは約521gに。余談ですが、筆者はX100Vを所有していたものの、GR IIIxの約257gという軽量さに慣れてしまい持ち出し頻度が下がり、昨年手放しました。

本題に戻りますが、なぜ約478gから約521gに増えたのか。原因はIBISが搭載されたことです。今回搭載されたIBISは厚み2mm、質量43gらしく、この分が本体質量増の原因になっているようです。またX100VIの実機を手にした際に、X100Vから変更がないにも関わらずレンズが突き出しているように思えたら、それはIBISの厚みが要因でしょう。

ちなみにFujifilmのミラーレスカメラにX-E4という人気機種がありますが、こちらは質量約364g、人気パンケーキレンズのXF27mmF2.8 R WRは84gなので、合算すると約448gになりますね。

バッテリー持ちは若干改善

IBISが搭載されたことでバッテリー持ちが悪化する可能性がありましたが、こちらについてはX-PROCESSEOR 5の省電力性能により僅かに改善したようです。X100Vは、Normal mode + OVFで430枚撮影可能でしたが、X100VIは450枚撮影できるようです。バッテリー自体はNP-W126Sを継続するようなので、バッテリー持ちが微増となったのは当然ですね。

フィルムシミュレーション 「REALA ACE」を始め、3種類が追加

フィルムシミュレーションには、GFX100 IIに搭載されている「REALA ACE」が追加。REALA ACEはXシリーズ機には初の追加となっています。また、X100Vからの変更として「ノスタルジックネガ」「ETERNA ブリーチバイパス」も追加されました。これにより搭載されているフィルムシミュレーションは合計で20種類となり、表現の幅にますます磨きがかかった形です。

富士機を使う理由の一つはフィルムシミュレーションにあると思いますので、諸々の追加は富士ユーザーにとって朗報ではないでしょうか。REALA ACEは筆者も触ってみたい…。

まとめ

本機は間違いなくX100Vからの正統進化だと思います。個人的には質量が気になりますが、高画素化や長年IBISを望んでいたユーザーにとっては些細な問題でしょう。乗り換えに値するカメラになっているのではないかと思います。

しかし、カメラをこれから始める方にとって$1,599ドルはハードルが高い気がします。またX100VIの登場で前機種のX100Vの中古価格が下がると思っていましたが、こちらはあまり変化が見られず。X100シリーズは入門者にとって敷居が高くなったのではないでしょうか。

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そんなわけで、X100シリーズでカメラデビューを飾りたいが20万越えは苦しいという方には、X100Fをおすすめします。X100FはX100VIの2世代前のモデルですが、X100VIやX100Vのカリッとした描写が特徴のレンズとは異なり、フワッとした柔らかい描写が特徴のレンズを採用した、今なお愛用者がいるモデルとなっています。中古であれば10万円ちょっとで購入できますので、こちらを選ぶのも良いのではないかと思います。

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以上です。

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